2005年10月05日 水曜日

我が青春の残滓  「ラブひな」な・・・

「俺には夢とか妄想しかない!」

まあ、普通はそんな男に付いていかないよな。
でも、この言葉にグラッと来ちゃう女がなぜかいたりして・・・。

というわけで今回はアニメ版「ラブひな」について。
この数ヶ月、CSのATXで再放送をやっておりまして
今月からはキッズステーションでも始まるようです。

・・・相変わらず人気みたいですね。

平均視聴率2%のこのアニメを初めて観たとき、
とても、痛いほどにこの世界の奥底にあるものが理解できました。
そして、この間の再放送でも、つい泣いてしまいました。
(あんないい加減なラブコメで、なぜと思う方も多いことでしょうが)
それは・・・

俺が
①主人公と同じ「(大した根拠もないのに)東大を目指す浪人生」だったから
②ヒロインの「なる」を演じる声優・堀江由衣が俺と同じ乙女座のB型で年齢も一つ違いだから

などがありますが、それよりも何よりも・・・・

原作者の赤松健が俺の高校の先輩なんですよ! 

なんかそんな予感はしてたんですよね。初めて観たときから。この作者は俺と同じ空気を吸って育ったんじゃないかな、って。ロッテの工場から流れ込んでくるあのガム臭い空気を・・・。だから高校時代からの友人にそのことを聞いたときは、やっぱりな・・・・と肩を落としたものです。

私立海城高校。
一応、東大合格者ベスト10に毎年名を連ねる、都内有数の進学校のようです。

で、この高校。学生は四層に完全に分かれておりまして・・・
①軟派・軽薄な奴(バンドとかバスケとかしてる)
②硬派・熱血漢(柔道・野球。トランクス姿で授業に参加)
③ガリベン(基地外じみた勉強量。オウムとの関連も)
④奇人

他校に比べて珍しいのは、④に属する人間が以外と多かったことです。

・後藤田正晴の肖像画を書いて本人に持っていった奴とか
・教育実習の女子大生と埋蔵金を掘りにいった奴とか
・修学旅行のバスの中で突然、「霧の摩周湖」歌いだした奴とか
・「っポイ!」のクリアファイルの中に自民党の派閥系譜図を入れていた奴とか
・「彼女と撮った写真を見せる」と卒業アルバムを持ってきた奴とか
・勃起したポコチンを石膏で形どって石造を作って飾った奴(しかも途中で萎えたらしく、その力無い姿を満点の下に晒した)とか
・東大を受験する理由が「ゴジラ細胞を開発するため(本気で)」だった奴とか
・重度のヤク中で、皇居前に陣取るフジモリ大統領のSPに注射器売っている場所を聞いた奴とか
・両国予備校の寮を脱走して、以来、失踪した奴とか
・「これがKGB殺人術だ!」とかいう本を見ながら、タドタドしい動きでコマンドサンボごっこを本気の顔つきでやっていたパソコン部員たちとか
・剣道の授業で「ドクターストップ勝ち」を収めたプレスリー似のレイプ魔とか
・「人間誰しもいいところがある」と演説した教師にわざわざ呼び出されて
「さっきはそう言ったがな、お前にはいいところはない」と言われた奴とか


・・・・・・。


で、③④の層は多数派を占める①に一緒にされて言われなき差別を受けてきました。で、こっちもこっちで①とか②の奴らを心の底から軽蔑していましたからね。とにかく奴らの対極を行こうと。

そうなると、当然のごとく「モテ」からは遠ざかるわけでして。
で。高校三年間「モテ」から遠ざかり続けた③④の男たちの考えは単純至極。

浪人デビュー!

パッとしない田舎者が上京して「モテ」を気取る「大学デビュ-」の浪人版です。

我が高校の最大の特色は「浪人して東大を目指す奴」が極端に多いこと。
駿台の「東大スーパーコース」では最大の人口を誇りました。

ええ。予備校は共学ですからね。いろんな女の子がいれば、その分、いろんな出会いがあるだろうと。
で、結構な数の同志が①に転向していきましたね。

昨日まで
「ポンセが・・・」
とか
「ライガーが・・・」
とか言っていたボンクラが急に

「アニエスbが・・・」

に変わりましたからね。で、女ってバカなんでしょうね。①に転向したら急に彼女が出来てましたから。

で。本当に純粋な④の「タクシードライバー」な俺たちは我が道を押し通しました。バカ女とも関わりたくなかったし、①が憎くて仕方なかった。あいつらの真似をするなんて恥ずかしいことは出来ない、と。

そして何よりも。
「こんな俺でも分かってくれる女はいるはずだ・・・だって、こんなに、ここには女がいるんだから」

・・・・。ええ。もちろん現実はそんなに甘くなかったです。


「夢と妄想しかない」

男になる以外にありませんでした。そして、そんな男を受け入れてくれる女を夢想するしか・・・。

パソコン部部長という④の頂点におられた赤松先生もきっと、そうだったのでしょう。東大受験に失敗して浪人しておられたようですから。

そのあとの経歴も結構近いものが・・・。
赤松氏は二浪。俺も二浪。
孤独なもんですよね。二浪目は。周りの浪人仲間はみんな大学生活を満喫しているし、予備校は年下だらけだし。罪悪感すら感じました。後ろで笑い声が聞こえたら、俺を笑っているんじゃないか、とか。
で、挙句の果てに赤松氏も俺も二流私大ですからね。

だから、よく分かるんです。「ラブひな」が。痛いほどに・・・。

「愛し合う二人が東大に行けば永遠に幸せになれる」

という、一般的には理解不能な誓いとか、

「東大なんて早く諦めろ」

と親に言われるキツさ(普通の下らないテレビドラマだと、親に無理矢理受けさせられるというのがパターンだが、逆の現実もある)とか、
先に妥協して私立大学に行った浪人仲間に街であったら、コソコソと隠れたりとか。
模試の判定が出た帰りなんて、本当、あんな感じでしたよ。この世の全てが終わったような。


・・・あの主人公は、まさにあの頃の俺そのものでした。あれはギャグでもラブコメでもなんでもない。リアルそのもの。経験した者でないと書けないよ。あれは。赤松先生の青春時代もきっとキツかったんでしょうね。

先日も「ラブひな」の再放送を観ながら、胸をかきむしられるような熱い涙を流したものです。特攻隊映画を観たときの帝国軍人みたいなもんです。


「ラブひな」の良いのは、そういった厳しい現実が甘い妄想と仲良く同居している所ですね。普通なら、
「現実は無視して甘い妄想の世界だけを描く(最近の‘萌え‘系はみんなこれ)」
とか
「妄想の世界で得た力で現実に立ち向かう(「ローゼンメイデン」がそうでしたね。代表的なのは「千と千尋」か)」
とか、妄想はあくまでも現実とは異世界だ、とするところでしょうけど。
でも、「ラブひな」では妄想を

「自分たちの帰るべき場所」

として、現実の中の一部に位置づけているんですよね。あるいは、現実をも包み込むもっと巨大な価値観というか。妄想の延長線上に東大がある(「タッチ」の「甲子園」みたいなもんだ)。
しかも登場人物たちが、自分が「妄想」に生きることを確信犯としてやっている。結構、覚めているんだ。
そこが格好いいんですよ。無意識にそれをしたら全共闘になっちゃうもんね。「共同幻想」か。気持悪い。


訳の分からない評論家が
「最近の若者は現実と空想の区別が付かない」
なんて言っているが、実はそうじゃない。区別した上で、空想の世界をリアルに構築しているんだ。
「妄想で何が悪い! 妄想しかないんだよ!」って。
で、それが現実をブチ壊していく、と。「マトリックス」ですな。


・・・・職業柄、つい熱くなってしまいました。
ただ、忘れてはならないのは、

「思い出はいつも甘い逃げ場所
だけど断ち切れ明日を生きるため」
(主題歌「サクラサク」より、詞・岡崎律子)

ということ。やっぱり現実でキッチリ前に進まないとダメだよね。

「妄想」を見事に売り物にした赤松先生は、漫画家として成功して「幸せ」になりましたとさ。
で。俺は。
まだ
「夢と妄想しかない男」
でーす♪

投稿者 春日 : 2005年10月05日 18:04

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 コメント

(T_T) (T-T) (T^T) 泣けてきます

投稿者 水野 : 2005年10月06日 14:23

イイっすね・・・・
理解しきっている上での妄想。
明日から、また僕も一生懸命生きてきます。


隊長は②→①組でした。
最近、やや④です。
こないだワザと漏らしたし。

投稿者 竹中隊長 : 2005年10月07日 11:31

俺も①に転びかけた時期があります。アメフトやったり。でもすぐ撤退。そのときの防具はロードウォーリアーズごっこに使いました。
今夜「虎ノ門」後に、テレ朝で「タクシードライバー」を放送するらしい。ボンクラの生態を知りたい方はぜひどうぞ。

投稿者 春日 : 2005年10月07日 13:38

ロードウォーリアーズごっこ楽しそう。
そういやレスナー参戦が決定しましたね。

投稿者 水野(カドベヤ) : 2005年10月07日 19:11

海城高校ってドリコムの28歳の社長の出身校だよね

投稿者 議長桜内 : 2006年03月10日 02:22

>議長桜内閣下
いや、今になって書き込みがあったことに気づきました。
このネタにふさわしい懐かしい投稿者名ですな。
なんか、その社長、いかにもウチのOBらしい人生ですな。
俺らとは真逆の。

投稿者 春日 : 2006年03月15日 15:53

どうもご無沙汰です。
国立文系コースの吹き溜まりから浪人生活を経て京都に逃げるっていうK町方式が成功のパターンのようです。途中までは師匠と違いがないのでは?
東大かつ変人へのこだわりを捨てきれない仲間内のなれあいに費やした時間が今日につながってしまったようです。自省をこめて「友達は選びましょう」。

http://blog.drecom.jp/naito/biography

投稿者 議長桜内 : 2006年03月16日 03:52

途中まではね。
でも逃げ込んだ先が江古田だったからね、俺の場合。
その結果まあ、気が付いたらかつての自分が思いもしなかったほどの本格的な変人になってしまいましたよ。
ただもう、取り返しはつかないからね。望もうと望むまいと、これしかなくなっちゃったから。こうなったら開き直って爆進するしかないんで、どこまでも行きますよ。
でも、何才になっても
「なれあえる」関係
って、とても大事な気がする。
何を言うにも、何をするにも政治的・経済的に絡んでしまって、毎日がハードな勝負になってきた今だから、余計にそう思う。

投稿者 春日 : 2006年03月17日 14:53

 > コメントしてください




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